外壁材の一つであるALCパネルとは?具体的な特徴について知ろう!
外壁材について調べていると「ALCパネル」という建材について目にしますが、そもそもALCパネルとはどのようなものなのでしょうか?ALCパネルには他の建材よりも優れている面が多い一方で、使用する場合には注意点もあります。今回は、ALCパネルの特徴とメリット・デメリット、使用時の注意点について解説します!
ALCパネルとはどのようなもの?
ALCパネルとはコンクリート建材の一種であり、種類によって形状や厚み、表面加工に違いがあります。ここでは、ALCパネルの概要と、3つの分類方法について詳しく解説していきます!
■ALCパネルとは?
ALCパネルとは「軽量気泡コンクリート建材」のことで、建設現場ではさまざまな用途で使われている建材です。原料として、セメントや生石灰、珪石、アルミ粉末などが挙げられます。
ALCパネルの利用シーンで最も多いのは、耐火性能を備えたパネル素材としての利用です。JIS規格に適合していることから、品質・寸法が高精度で保たれています。
■ALCパネルには3つの分類方法がある
ALCパネルは「形状」「厚み」「表面加工」の3つの違いによって分類できます。
形状による分類では、
①平らな形状の「一般パネル」
②L字型の「コーナーパネル」
の2つに分けられます。
厚みによる分類では、
①厚みが75mm以上の「厚型パネル」
②厚みが35mm以上75mm未満の「薄型パネル」
の2つに分けられます。
表面加工による分類では、
①加工が施されていない「平パネル」
②デザイン加工が施されている「意匠パネル」
の2つに分けられます。
ALCパネルのメリット・デメリット
ALCパネルは他の外壁材より優れている点が多く、性能が高い外壁材であるといえます。しかし、劣化を防ぐためのケアや見た目の問題など、ALCパネルならではのデメリットもあるため、使用の際にはそれらについても充分に理解しておく必要があります。
以下では、外壁材として使用するメリット・デメリットについてご紹介します。
■メリット
ALCパネルを外壁材として利用するメリットは、
①耐久性能に優れている
②耐火性能に優れている
③防音性能に優れている
④断熱性能に優れている
の4つが挙げられます。ALCパネルには網状のスチールや鉄筋が内包されているため、他の外壁材と比較して耐久性能が高いです。また、コンクリート素材であるため火災時にも燃えることがなく、煙やガスも発生しません。ALCパネルと一般的なコンクリートの違いとして、ALCパネルには内部に小さな気泡が無数に含まれていることが挙げられます。この気泡が防音性能・断熱性能を高くしており、とくに断熱性能の高さによるメリットは大きいです。ALCパネルを導入すれば結露の防止や室温調整のしやすさにつながり、空調の利用も抑えることができます。
■デメリット
ALCパネルを外壁材として利用するデメリットは、
①吸水性能が高くケアが必要
②デザイン性に欠ける
の2つが挙げられます。先述の通り、ALCパネルの内部には小さな気泡が無数に含まれています。下地部分に水分が触れると気泡によってすぐに水分を取り込んでしまうため、あっという間に劣化が進んでしまいます。この劣化を防ぐためには、塗装による定期的なケアが必須になります。10〜15年を目安に外壁塗装を行わないと、水分を取り込んですぐに劣化してしまうでしょう。
また、ALCパネルは1枚1枚のサイズが小さくなっているため、外壁材のように広範囲に使用する場合は接合部が目立ちやすいというデメリットがあります。見た目よりも性能を重視したい!という場合には問題ありませんが、外観にもこだわりたいという人には向いていないといえるでしょう。また、接合部にはシーリング材が使用されるため、その分の費用も必要となります。
ALCパネルを利用する際に注意しておくべきポイント
ALCパネルを外壁材に選ぶ場合、注意すべきポイントが2つあります。以下では、それぞれの内容について解説します。
■定期的なメンテナンスが必要
先述の通り、ALCパネルは水分による劣化が早いです。10〜15年を目安として塗装が必要となるため、メンテナンスが行えない場合は他の外壁材を選ぶのがよいでしょう。
■塗料の種類にも注意!
ALCパネルを外壁材として使用する場合、油性の塗料を塗るのは避ける必要があります。油性塗料の特徴として、浸透性能が弱いこと、密閉性能が強いことが挙げられます。これらはALCパネルの調湿性能や断熱性能と相性が悪く、ALCパネルの強みを活かすことができなくなってしまいます。
今回は、ALCパネルの特徴とメリット・デメリットに加え、外壁材として使用する際の注意点を解説しました。ALCパネルは他の外壁材と比較してメリットが多く、見た目のデメリットが気にならなければぜひ取り入れたい外壁材の一つです。しかし、定期的なメンテナンスを行わなければ雨による劣化が進みやすいため、10〜15年ごとの塗装を忘れないようにしましょう。ALCパネルの使用を考えている人は、今回の記事を参考にしてみてください!